「あなたの名字の由来、知っていますか?」
名字
日本人ならば、すべての人に当てはめられている「名字」。
そんな名字って、いつくらいかあったのでしょう?
また、その由来なんてご存知でしょうか?
普段から当たり前に呼ばれたり、書いたりしている名字ですが、様々な歴史、由来があったりするのです。
今回、そんな名字について疑問が湧いたので、調べてみることにしました。
そして、日本人の代表的で数の老い名字を10挙げてみました。
それでは見てみましょう!
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名字歴史・由来

名字っていつからあるのでしょう?

答えは、「平安時代後期」です。
ではどの様な経緯で生まれたのでしょうか?歴史をたどってみましょう!

「名字」として使い始めたのは武士

はじめに「名字」と呼ばれたものを使ったのが平安時代後期の武士でした。

武士は自らの土地や財産を守るため、またその土地の所有権を主張するために、土地の名前を名字として名乗るようになったのです。

名字が生まれるの前の時代は?

では、武士が名字を名乗る前の時代に至るまでは、どんな流れなのか見ていきましょう!
平安時代後期よりも前にも似たように呼び名がありました。
「氏」や「姓」や「家号」と呼ばれるものです。
ご説明しましょう。
古代大和政権までさかのぼります。
古代大和政権
この時代、大王家(のちの天皇家)を中心とした氏族(実力者たち)たちの連合政権でした。
氏族と呼ばれる人達は、それぞれ専門の役職がありました。
例を上げますと、
中臣→祭祀関係
物部→軍事関係
和気→医療関係
などですね。
それを「」と呼び、その一族を「氏族」と呼んだのです。
大王(後の天皇)はそんな氏族たちを束ねるリーダーでした。
例えば「中臣〇〇」という名前は、「祭祀関係に関わる〇〇さん」というふうに何をしている人かが一目瞭然でした。
中臣が氏の部分〇〇が名前の部分
この「中臣」っていう「氏」の部分が名字のルーツになります。(意味合いは別です)
時代が下って、大王家が神格化して、天皇家となり、天皇家を中心とする中央集権国家が出現します。
姓(かばね)
すると、天皇は今まで各役職を担ってきた「氏族」たちに今度は、「姓(かばね)」というものを与えました。
これは、天皇の臣下であることを明確に示すものでした。
私は天皇の家臣であります!と宣言したような感じです。
後に8つの「姓(かばね)」に集約されるようになり、これは氏族達の地位の高低を指し示すようにもなっていきます。
姓(せい)
さらに時代が下ると、分家していった氏族たちが増え、天皇家はその一族に今度は「姓(せい)」というものを与えるようになっていきます。
カバネやらセイやらややこしいですが、ややこしいがゆえにココらへんで、「氏」「姓(かばね)」「姓(せい)」がすべて統一され「姓(せい)」に集約されていきます。
家号
平安時代になり、天皇家を中心とした政府、いわゆる朝廷のあらゆる役職を4つの氏族達が独占するようになります。
これが「源平藤橘」と呼ばれる「源氏、平氏、藤原氏、橘氏」です。
その中でも特に重要な役職を圧倒的に独占したのが、藤原氏です。
もう役職ごとの氏ではないので、「藤原」と名乗っていても何をやっている藤原なのか区別もつかないようになってきます。
これは困った!ということで、今度は、自分たちが住んでいる土地の名前「家号」を使って区別するようになっていきました。「一条」や「九条」などというのはこの「家号」から来ています。
そして名字へ
そして、平安時代後期になり、武士が誕生してくると、武士が所有権を主張するために名乗る「名字」と、多すぎる「源平藤橘」を区別するために名乗っていた「家号」が統合されていくという流れになります。こうして名字が生まれます!
「姓」と「名字」との違い
この時点で、「姓(せい)」はまだ健在です。
「名字」「家号」は比較的自由に名乗れました(所有権の主張や区別が主な目的のため)が、「姓」だけは、天皇から与えられるものなので、簡単に名乗れませんし、変更も天皇の許可がいるのでした。
なので、「姓」を持っていて、「姓」が何かを知れば、お偉いさんの血筋かどうかが判別できるっていう仕組みですね。
まとめると、
「氏」「姓かばね」「姓せい」「家号」「名字」といろいろありましたが、
「家号」と「名字」が統合したものが「名字」になったと言えるでしょう。
「氏」や「姓かばね」、「姓せい」は天皇から与えられるものでしたのでちょっと違った意味になります。

名字は何種類ある?

名字が生まれてから、その時代ごとに武士のみがつけることが出来たり、庶民もつけることが出来たりさまざまなのですが、10数万種類の名字があると言われています。
同じ読みでも「斉藤」「斎藤」と違った漢字もありますし、「谷」を「や」と読むか、「たに」と読むかで違うからです。
しかし、凄い数ですね!

名字の由来

前述のように、基本は住んでいる地名から名字は付けられていきましたが(これが8割)
他には、方角(東西南北)や職業(服部、鍛冶、犬飼)など様々な由来があります。
また、藤原氏をルーツにする名字は数多くありますね
それでは名字の事がわかったところで、日本人に多い名字ランキングを著名な武将文人と共にご紹介します!
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日本人名字ランキングベスト10

第10位 加藤

藤という字がありますね。藤原氏がルーツとなる名字です。
平安時代、藤原景道が加賀国を治める次官(No.2)に任命され、加賀の「加」をとって加藤と名乗りました。
藤原景通の子供が三重県の伊勢に移住し、そこから東海地方へ広がっていくことになるのです。
戦国武将では、熊本城の加藤清正、伊予松山藩主、加藤嘉明などが有名所ですね!

第9位 小林

由来は「小さな林」です。そのまま、安易と言えば安易?
とにかく、昔の日本は土地のほとんどが雑木林でしたので、その流れでこの名字も多かったのです。
特に、長野県は最多でいますね。
「霞む日や夕山かげの飴の笛」「づぶ濡れの大名を見る炬燵かな」「やせ蛙負けるな一茶是にあり」などを作った俳諧師、小林一茶は代表格ですね

第8位 中村

中村の意味、由来は字のごとく「村の中心」「中心の村」という意味合いが強くあります。
また、「中村」という地名にちなんだ例も多くあります。
中村という地名は全国で一番多く、必然的に名字としての中村も多くなったのでしょう。
戦国武将豊臣秀吉3中老のひとり、中村一氏歌舞伎役者初代中村勘三郎の父親、中村重勝などいますね!

第7位 山本

これは地形からくる名字です。
山の麓」を意味するところから「山本」ですね。
山の麓に住むことが多かったことから多くの人々が名乗りました。
山に住む人が多かったのは、昔から、神格化されていてその祈祷の為、また、農業するのに適していた場所だったこともあるのでしょう。
自然住む人も増えていったようです。
代表的な武将では、武田家の軍師、武田二十四将の山本勘助がおりますね!

第6位 伊藤

藤原氏にルーツを持つ名字、再び登場です。
加藤が加賀国なら、伊藤は伊勢の国です。
平将門を討ち取った藤原秀郷の息子、尾藤基景が伊勢を治める伊勢守になり移住したことがルーツになります。
坂本龍馬の北辰一刀流につながる一刀流の創始者、剣豪「伊藤一刀斎」、新選組参謀「伊東甲子太郎」などはその代表格でしょう!

第5位 渡辺

渡辺のルーツは地名です。大阪の現在の天満橋付近ですね。「渡しの辺り」という意味が由来で、旧淀川に船着き場があったようです。はじめに名乗ったのは光源氏のモデルである源融の子孫がこの地に移住し名乗ったのが始まりです。
武将では、大阪夏の陣で300人を討ち取ったとして知られる槍の勘兵衛こと「渡辺勘兵衛」が代表です。

第4位 田中

地形に由来する名字ですね。
米を中心に経済が発展していた日本ならではの名字です。
田んぼが多い地域に自然と多く見られますね。
有名武将に、石田三成を関ヶ原後に捕らえ、福岡柳川などの都市整備を行った名領主、「田中吉政」がいます。

第3位 高橋

さあ、いよいよ3位です!
これまた文字通りの由来で、「高い橋」がある場所で名付けられた地名由来の名字です。
特に、江戸時代まではあまり橋がなかったので、その希少さから良く名付けられました。
奈良県に多く見られます。
また、大和朝廷で食膳係を担当していた豪族に高橋氏がいたり、神に仕える役目を果たしたりした一族もあり、
そこをルーツとする高橋さんも多くいますね。
武将ですと、西国一と秀吉に称された名将立花宗茂の実父、義理堅いことで有名な九州の名将「高橋紹運」が代表です!

第2位 鈴木

No.2!
古代より神聖な場所とされる紀伊半島、熊野神社への信仰の布教に携わった一族が「鈴木」と名乗っていました。
由来は、熊野神社では稲を刈り取ったあとの積み上げた藁(穂積)の真ん中に一本の木を立てるという儀式があるのですが、その木を「すすき」と呼んでいました。「すす」は聖なるという意味で、聖なる木ということで「すすき」それが「すずき」になったのです。
その儀式を担った方が漢字を当て、「鈴木」と名乗っていったのです。
全国に3000とも言われる熊野神社の分社も寄与し、熱心な布教活動により、全国各地に鈴木さんが広がっていったのです。
有名な武将に、織田信長を苦しめた鉄砲傭兵集団の有力者、鈴木重秀、またの名を雑賀孫一がいます!

第1位 佐藤

一番多い名字は「佐藤」でした!
由来は、藤の文字からやはり藤原の子孫です。
前述の、平将門を撃った藤原秀郷の子孫、公清が左衛門尉という役職につき、「左藤」→「佐藤」になったり
他にも、栃木県の佐野という地域に藤原北家が移住し「佐野の藤原」から「佐藤」となった説もあります。
さらに、佐渡守になった藤原氏、朝廷で上から2番めの位「佐」を代々受け継いでいた藤原氏が佐藤を名乗ったりと
様々なルーツがあります。これらがすべて集まり、日本で一番多い名字として君臨することになるのです!
有名所の武将たちはいませんでした。
強い武将や大名がいると、逆に気後れして、また神聖化されるので、軽々しく名字を名乗ることが難しくなるので、強い武将・大名がいなかったことが、ここまで「佐藤」が広まった一つの理由とも考えられます!

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最後に

日本に多い名字をランキングしてご紹介しました。
由来は地名が多かったでしたが、それ以外にも様々なルーツがあることがわかり面白かったですね。
あなたの名字にはどんなルーツがありますか?
調べてみると新たな発見があるかも?
順位 名前
10位 加藤
9位 小林
8位 中村
7位 山本
6位 伊藤
5位 渡辺
4位 田中
3位 高橋
2位 鈴木
1位 佐藤