「二束三文」「早起きは三文の得」「びた一文」「安物買いの銭失い」「一銭にもならない仕事」「一銭切り」「一銭を笑うものは一銭に泣く」など、銭や文のつく言葉は多いですよね。

その「一銭」や「一文」は、貨幣の単位になりますが、それらは今現在の価値に直すといったいいくらになるのでしょう?

今回は戦国時代の一銭、一文の現在の価値について調べてみました!

※ココで言う一銭・一文は永楽銭(えいらくせん)(明(中国)から輸入された銅貨)一枚の事を指します、

永楽銭

引用:Wikipedia

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一銭・一文は現在いくら?

一銭・一文は現在の価値に換算すると?

一銭・一文はズバリ

なぜそう算出したか見てみましょう。

一銭・一文が50円な理由

実際、景気、地域、土地を治める領主などによってかなり左右されます。また、食べ物や労働、土地などによっても様々ではあります。

そして、お金自体、各土地の大名が自分で作ったりしていて統一性は無いのです。なので、50円と決めつけるにはちょっと強引な所が有ることは承知しています。その中で、関東ではほぼ基軸通貨として流通した永楽銭を規準としています。

ただ戦国時代はそんな中意外と大きなインフレは無く、特に米は概ね一石500文から1500文の間くらいで取引されていました。ココでは、便宜上間を取って1000文とさせていただきます。

規準としたのは米です。変動がある中でも一番安定していた時期、なるべく飢饉も無い頃の時期を参考にします。

参考で、現在の米の価格10キロ、これもピンからキリですが、相場をみてココでは便宜上約3300円とさせていただきました。

計算方法

一石=150キロ。150キロ=3300円(10キロあたり)×15=約50000円(現在価格換算)。一石=1000文。一文=50000円÷1000文=50円

とこうなりました。

一文と一銭の読み方の違いにちょっと触れておきましょう。

一文と一銭の違い

戦国時代では、一文も一銭も同じ価値、同じ意味を示します。(明治になってくるとまた価値が変わってきます)

銭貨の通貨単位として二つとも適用されています。読み方が2種類あるってことですね。

これ以下、表示の関係上、「文」に統一して表記して行きます。

では、一文50円として戦国時代の物価価値を表で見ていきましょう。

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戦国時代物価価値表

いろんな物がありますが、想像しやすいものを上げてみますので、色々楽しんで見てください。

食べ物

名称戦国価格現在価格
米一石1000文5万円
砂糖1斤144文7200円
お茶1斤60文3000円
塩1升4文200円
酒1升70文3500円
豆腐1丁4文200円
油1升66文3300円
味噌1升65文3250円
カツオ1匹40文2000円

※1斤=600グラム。1升=1500グラム。1石=150キロ。

米一升は何キロ?武将たちは一日で米一升食べた?!語源は?

やはり、砂糖は高級品だったのか、高めですね。現在と比べると、食べ物を購入すると高いなって印象ですね。農民は自給自足していたのでしょうから、お金をもつ必要はあまりなかったのかもしれませんけどね。

それでは、働いて稼いだ場合を見てみましょう。

労働賃金

名称戦国価格現在価格
大工一日(京都)100文5000円
鍛冶職人(小田原)50文2500円
大阪城普請人夫(黒田家)80文プラス食事5000円相当

食事の物価を当てはめていますので、一概には言えませんが、労働賃金は多くありませんね。

その他

名称戦国価格現在価格
関所の税金(馬)5文250円
北条氏康に納める魚2文100円
事件起こした人の家競売物件(茶碗)20文1000円
九十九茄子初期(名茶器)99貫文※1約500万円
禁制※2(制礼)(大きな村)3200文16万円
12貫文60万円
火縄銃65貫文325万円
銭湯1文50円

※1  1貫文=1000文

※2  禁制とは、戦争時、戦地で略奪行為などを攻め込む大名がしないようにするための制度。

有名な茶器はお高いですね。また、武器もなかなかのお値段がします。これは、大名相手に商売する商人たちが儲かるわけですね。(それで身を滅ぼした人もいますがね)

銭湯とは、文字を分解すると、銭に湯、お金を払って入るお風呂屋です。ここでは銭の文字が使われている所が興味深いです。

最後に

いろいろ戦国時代の物価を見てきました。当時の生活はもちろん現在とは違う部分が相当あります。でも、物の価値を現在に合わせることで、何故か親近感が湧いてくるのです。戦国時代の人達は私達の祖先なわけで、彼らが一生懸命生きてくださったおかげで私達がいると考えると、感謝の気持ちを述べたくもなっちゃいます。ありがとうございます!