菊一文字則宗って聞いたことありますか?

日本刀の名前です。

 

新撰組の沖田総司が使用していた刀だと伝えられています。

名前からして、なんか強そうで神聖な感じがしますねえ。

その価値なんと、「一万両」!(約7000万円!

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そんな高価値な刀、どんなだったのか?

 

そして、その持ち主の新選組の沖田総司とはどんな人だったのか?

 

今回は、その持ち主の沖田総司と愛刀菊一文字について、見てみたいと思います。

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沖田総司とは?

沖田総司の似顔絵イラスト

沖田総司の生まれは?

江戸時代の後期、江戸白河藩屋敷(港区西麻布)で生まれます。

江戸のど真ん中ですね。

その後、市ヶ谷にあった、天然理心流の道場、試衛館へ入門します。

ここで、近藤勇(新選組局長)土方歳三(新選組副長)に出会います。

 

当時から実力はピカイチで、早々に塾頭(道場のリーダー)に抜擢されます。

14歳くらいの話ですよ。天才ですねえ!

そして、さらに北辰一刀流坂本龍馬山岡鉄舟もこの流派ですね)の免許皆伝も持っていたとのこと。

北辰一刀流といえば当時江戸三大道場の一つです。

最強じゃないですか!

沖田総司の剣とは?「猛者の剣」

2つの流派を極めた沖田総司はどんな剣術を使っていたのでしょう。

人曰く、「沖田総司の剣は猛者の剣」と呼ばれ、かなり恐れられていたようです。

どういうことでしょう?

それは「刀で斬るな、身体で斬れ!」という指導方法だったからです!

すごい表現ですね!

なんか気迫が感じられます。

気性も道場に通う生徒からは「荒っぽくてすぐ怒る」と師範の近藤勇よりも恐れられていたというから相当のものだったのでしょう。

 

なにか、鬼気迫るものがありますね!

きっと、指導者として、本当に強くしたいという思いが強かったのでしょう。

実際、沖田総司が新選組(幕末、京都で反幕府勢力を取り締まった警察組織)で一番重要な部隊を率いていました。

 

得意技は三段突き

ちなみに得意技は三段突き

一度踏み込む間に三度突きを繰り出すって言う名人技です!

沖田総司の構え、平正眼(中段の構えのこと。沖田総司の場合、半身に構え剣先を少し下げ、前のめりの構え)から足音一回しかならないのに3度突くという恐ろしいほどのスピードです。

一度踏み込む時間って1秒くらいでしょうか?

その間に三回突けるって?!

それは厳しく指導されても納得ですねえ。

薩摩の「人斬り半次郎」こと中村半次郎も相当のスピードがあったようですが、沖田総司もすごい!

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それでは、次に、新選組の重要な部隊を率いてた沖田総司の活躍をみてみましょう!

一番隊組長抜擢

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反幕府勢力を取り締まるため新撰組が結成されると、組員であった沖田総司は一番隊組長を任されます。

この一番隊っていうのが、とっても重要な役割を担っているのです。

 

とにかく、重要案件は、一番隊か二番隊が行うっていうルールになっていましたので。

そこのトップってことは、余程、剣に実力がなければ務まらないお仕事です。

剣豪ひしめく新撰組の中でも、最強と言ってよいほどの剣の腕前

沖田総司なら適任でしょう。

 

沖田総司は、実際、結果も出します。

芹沢鴨暗殺、池田屋事件、山南敬助介錯、内山彦次郎暗殺などなど。

 

ただ稽古で怒っているだけでなく、実力も伴っていました。

 

しかし、その後急速に病に冒され、20代の半ば位で天国にめされてしまいます!

うう、短すぎる人生。

 

とにかく剣の腕前と実績は素晴らしかったのですねえ。

 

では次に、沖田総司が使用していた刀について見てみましょう。

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沖田総司の愛刀「菊一文字」

刀屋のある刀の鑑賞

ある日、沖田総司は、江戸の町を歩き、いつも利用していた刀屋、播磨屋に刀を研いでもらうため立ち寄りました。

当時沖田総司は、加州清光、大和守安定、といった刀を所持していましたが、どちらかを研ぎに出したのでしょう。

そして刀屋の主人、道伯から、ある刀を鑑賞することになります。

その刀が「菊一文字則宗」でした。

菊一文字則宗は、鎌倉時代に時の権力者、後鳥羽上皇より菊の銘を彫ることを許されるほどの名刀工、則宗が作った刀なのでそう言われていました。(実際は一文字の銘が入った則宗作のものか?)

刀の長さ、二尺四寸二分で、細身で反りがあり、八重桜の花びらを置き並べて、露を含ませたように美しい乱れをしていたと言うのです。

 

菊一文字の価値

「これを欲しい!」

と沖田総司は思いますが、しかし、値段が高すぎました。

といいますか、値段を付けられないほど高価なものでした。

だって、100両(約70万円)で買うと言ったお客様を断っている程ですもの。

沖田総司の給料3ヶ月分でも買えないくらい、到底手が出ないと諦めるしかありませんでした。

(当時の隊長クラスの月給が30両(21万)くらいでした)

でも、明るい性格で、剣術の達人で名を知られていた沖田総司に、主人の粋な計らいで、刀の研ぎが終わるまでという期限付きで貸し出してくれることになりました。

すごい!やった!刀屋主人、太っ腹ですね。

※その後、上司である新撰組副長土方歳三が、大事な部下で仲間である沖田の為に菊一文字を買い取りに行きます。

刀を愛す沖田総司の為になんとか菊一文字を持ってもらいたいと!

土方は主人から1万両(約7000万円)を掲示されました。高!

「これは無理かなあ」とあきらめかけた所でした。

が、気が変わったのか、主人は沖田総司に免じて譲るというではありませんか!

主人も揺さぶりますねえ。

結果、沖田総司は土方の部下思いの行動と、主人の厚意?よって、この名刀を手に入れることができたのでした!

 

菊一文字の本当の凄さ

名刀を手に入れた沖田総司でしたが、あまりに名刀過ぎて、さすがの沖田総司もおいそれと刀を使うことが出来ずにいました。

折れたりしたら、弁償も出来ないよって。

 

天下の名刀も、なかなか出番がありませんでした。

 

そんな時、沖田総司が任されていた新撰組一番隊の隊士が、刺客に斬り殺される事件が勃発します。

部下を斬り殺された沖田は怒り狂います。

すぐに探し出し、待ち伏せし、一刀のもと仇をうちます。

一瞬です。三段突き炸裂したのでしょうか!

その時使用した刀は菊一文字則宗でした。

仲間の敵討ちのためなら名刀も惜しみなく使う!

熱血指導者の沖田総司ならではな行動ですね。

 

そして斬り終えた菊一文字は切れ味バツグン!刃こぼれなし

さすが天下の名刀と言わざるをえません。

 

そんな名刀も、沖田総司の晩年は出番が無く、沖田総司の死んだときには、枕元にひっそりと佇んでいたといいます。

※フィクションあり

(菊一文字則宗が沖田総司の愛刀であるかどうかは確証がないようですし、そもそも菊の銘が彫られた剣が則宗の作には無いっていう事もあるようです。がそんな事実かもしれない夢のない話はちょっとおいておきましょう笑)

参考元:小説「新選組血風録」、小説「新選組始末記

 

最後に

天下の名刀、菊一文字の価値は主人が提示したもので1万両(約7000万円)と相当高価なものでした。

そんな名刀は仲間の敵討ちの為に活躍することとなりました。

実際は謎に包まれた刀ではありますが、でも剣豪沖田総司には菊一文字則宗が似合います!

若くして亡くなった沖田総司と伝説の名刀菊一文字、最高のコンビでした!

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