薩摩藩に伝わる古代剣術、示現流・薬丸自顕流!
どんな剣術だったのでしょうか?
また、そのかけ声「チェスト!」はどんな意味があったのでしょうか?
そして、使い手にどのような人がいたのでしょう?
幕末の志士たちを震え上がらせた最強剣術「示現流」「薬丸示現流」。
この剣術について調べてみましょう!
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示現流の歴史
創始者は東郷重位(とうごうしげかた)。
タイ捨流(頗る荒く、体を飛び薙ぎ立てる剣)を学んでいましたが、京都で天真正自顕流(一刀両断勇猛果敢)を学び、その2つの流派の良いところをを合わせ、創意工夫の上「示現流」を編み出したといわれています。
★下記の記事では、示現流のランキングも載せております!
さらに、近江浪人の田中雲右衛門から「早太刀」の技を学び、さらに改良していったといいます!
初代島津藩主島津家久の御前試合で元々学んだタイ捨流の師範を破り、島津家久の師範役となるのです!
速さと荒らさと一撃必殺的なすごい剛の剣っていう感じがします!
次に示現流と繋がりのある、もう一つの薩摩最強剣。薬丸自顕流について見てみましょう。
薬丸自顕流とは?
東郷重位が開祖したのが示現流でしたね。
その高弟に代々薬丸家がいました。
この薬丸家が江戸時代後期になって示現流より独立したのが「薬丸自顕流」です。
なので、基本的には示現流の流れですが、独自の部分もあり、例えば「蜻蛉の姿勢」を基本とする独自の方法を編み出していったりしたのです。
以来、薩摩藩士の主に下級武士たちは、薬丸自顕流を学んでいました。
この2つの剣術に相まってよくいわれるのが、かけ声「チェスト!」です!
この「チェスト!」はどんな意味なのでしょうか?
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チェスト!とは?
様々な説があるんです。
◯胸の英語CHEST!→薩英戦争の際、薩摩人がイギリス人に対して、(胸チェストを目指してこい、かかってきたら切り倒してやる)と言ったところから来ていると言うもの。
◯かけ声で、「チェスト」という方言。(強人と言う意味)
◯「知恵捨てろ!」(何も考えず突っ込め!的な)気合い入れるかけ声と言うもの。
◯猿叫と呼ばれる奇声が「チェスト」と聞こえたからと言うもの。
◯漫画的に「チェスト」と描くのが受けが良さそう?
色々あります。
実際今も受け継がれる示現流のかけ声を聞いても「チェスト」ってちょっと聞こえにくいです。
どうですか?
気合いは十分ですね!
もっと荒々しいのかと思ったらそこまででは無いですね!
ここから、有名な示現流(薬丸自顕流)の使い手を、その伝説と実話と共にご紹介しますね。
示現流(薬丸自顕流)の使い手1・中村半次郎!
中村半次郎(桐野利秋)の強さ!
引用:wikipedia
大河ドラマ「西郷どん」では、大野拓朗さんが熱演しています。
人斬り半次郎と異名を持つ中村半次郎、またの名を桐野利秋が有名です!
★中村半次郎(桐野利秋)を詳しく知りたい方はこちらへ⬇
桐野利秋(中村半次郎)の生涯!西郷隆盛を守った壮絶な最期とは?
中村半次郎は、西郷隆盛や大久保利通などと同じ町の生まれで、明治まで生き残こり、西南戦争で西郷隆盛と共に戦死する運命にあります。
様々な逸話が残されています。
幾つかご紹介しておきましょう!
中村半次郎伝説1
雨粒を軒から地面に落ちるまでに3度斬りつけ、鞘に収めたと言います。
早技は日頃の鍛錬の賜物。見習わなければ!
中村半次郎伝説2
薪を放り投げ地面に落ちるまでに8度斬りつけたと言います。
色々は試練を乗り越えて成し遂げられた技です!
中村半次郎伝説3
自分での修行の仕方が半端なく、木刀で毎日8000回専用の樹木を叩きつけていたといいます。太さ3,4寸(10センチ位)の樹木がことごとく折られていったと言います。
恐るべし執念。何が半次郎をそこまでさせたのでしょうか?それは、貧乏で、父が罪を受け、下級武士の身分で侮辱を受けたりしたことが原因でしょう。
中村半次郎伝説4
新撰組局長近藤勇に、「中村は相手にするな」と言わしめたといいます。
当時の有名な剣客に言わせるほどの実力を持っていたことを表します!
すでに全国クラスのレベルだったということ!
かなりのエネルギーに基づき修練されていたんだと思います!
その他にも薩摩藩中随一の使い手と言われたもうひとりの男がいます。
大山綱吉(格之助)です。
示現流(薬丸自顕流)の使い手2・大山綱吉(格之助)
大河ドラマ「西郷どん」では、北村有起哉さんが演じていますね。
西郷吉之助と下級武士たちとの仲介役で魅力を発揮している姿が印象的です。
★大山綱吉を詳しく知りたい方はこちらを⇓
大山格之助(綱良)は薬丸自顕流薩摩一名手!初代鹿児島県令後斬首に!
寺田屋事件では、鎮撫隊の隊長として、尊王攘夷過激行動を起こしていた、同じ精忠組の仲間を鎮めるためにその剣術を発揮していました。(同士討ちの悲しい事件です)
関連記事:有馬新七:神影流剣術達人で朱子学学者!寺田屋で同士討ち
大山格之助をはじめ、薬丸示現流の剣術を活かした原点は、郷中教育にありました。
★御中教育の秘密はこちらへ⬇
西郷隆盛ゆかりの地!偉人を輩出した下加治屋町!秘密は郷中教育に有り!
この郷中教育を受けて育った中に、様々な示現流、薬丸自顕流の使い手が現れて行くのです。
★どんな人かいたと言いますと?
海江田信義・東郷平八郎(海軍大将)・奈良原繁(沖縄県知事)・西郷従道(海軍大将)・・・などなど
日本の明治維新を担った男たちが郷中教育、示現流、薬丸自顕流を通じて育っていったのです。
すごい剣術だったと言えますね!
元メジャーリーガー川崎宗則選手と「チェスト!」の関係
鹿児島出身のプロ野球選手で元メジャーリーガーの川崎宗則選手も「チェスト」を
かけ声としてよく使っておりました。
お立ち台からの観客を巻き込んでのパフォーマンスはテンション上がります!
その様子を少しご覧ください!
由来は、父親!
小さい頃から、「ムネ、チェストいけよ!」と声かけられていたいと言います!
(要するに、気合い入れていけよ!と言う意味ですね!)
気合いが入りますよね!この気合いに私もあやかりたいと思います!
最後に!
初太刀で勝敗をつけるとされた薩摩示現流そして薬丸自顕流。
荒々しい剣術同士が合わさって出来た一撃必殺の薩摩藩に語り継がれる剣術!
そして、そのかけ声「チェスト!」は結局のところ、正解は見つからなかったが、
発声をすることで、相手に恐怖を与え、攻撃も守備も出来ない状態にするのがうまい!と思いました!
剣豪ランキング
示現流がどのくらい強いのか?
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